尖頭アーチ(読み)せんとうアーチ(英語表記)pointed arch

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「尖頭アーチ」の意味・わかりやすい解説

尖頭アーチ
せんとうアーチ
pointed arch

建築用語。ロマネスク建築の半円形アーチに代ってゴシック建築において採用されるようになったスパン (梁間) の半分よりも長い半径をもつ2つの円弧でつくられる先端のとがったアーチ。正方形平面の上にリブ・ボールトをかける場合,四辺の上のアーチ形を半円形にすると,そのアーチの頂点の高さは対角線上の半円形アーチの頂点よりも低くなり,重力がこの四辺上のアーチにかかってくる。これを是正するため四辺上のアーチの頂点を高くすることから尖頭形のアーチが生れた。この尖頭アーチは一つの様式としてボールト部にかぎらず開口部にも採用されるようになり,ゴシック建築を最も特徴づける重要な要素となった。

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