尾道湊
おのみちみなと
尾道村の南岸に造られた港で、現在の尾道港にあたる。南の向島との間に東西約六キロ・最小幅二〇〇メートル余の尾道水道があり、水道の東は松永湾・沼隈半島、西は三原湾から南東へ布刈瀬戸、南西へ三原水道が連なり、天然の良港として恵まれた立地条件にある。尾道水道中央東寄り付近の北岸に、玉の浦とか鶴湾と称された浦があり、仁安三年(一一六八)大田庄(現世羅郡)の倉敷地がこの地に設定され、港として成長していった。
寛文一一年(一六七一)西廻航路の開発で北前船が入港するようになると港は最盛期を迎え、元禄(一六八八―一七〇四)頃より荷揚場の拡大がなされ、海岸に雁木がつくられた。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
Sponserd by 