尾頭付き(読み)オカシラツキ

デジタル大辞泉 「尾頭付き」の意味・読み・例文・類語

おかしら‐つき〔をかしら‐〕【尾頭付き】

尾と頭のついたままの魚。慶事での料理に用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「尾頭付き」の意味・わかりやすい解説

尾頭付き
おかしらつき

祝いの膳(ぜん)、神祭りなど改まった日の食膳に、頭も尾もそろった完全な形の魚をつける、これを「尾頭付きの膳」といって、めでたい食事象徴のように用いられる。仏教では、殺生戒(せっしょうかい)ということで魚は使わない、いわゆる精進料理であった。これに対して魚を用いる料理は、仏教の管理以外のところで用いられるので、典型的ともいえる尾頭付きの一皿を加えてその意味を強調したわけである。

[丸山久子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「尾頭付き」の解説

おかしらつき【尾頭付き】

尾も頭もついたままの、姿のままの魚。特に鯛の尾頭つきの焼き物は祝いの席で好まれる。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の尾頭付きの言及

【魚】より

…また,現代においても日本人の生活においてよく利用されている魚といえる。 日本では干魚よりも鮮魚を尊重し,ことに尾頭付きといって全形をそなえたものを喜び,切身をいやしむ風が強い。ことに吉事の際に縁起ものとして全形のものを望む。…

【タイ(鯛)】より

…近世に入ってその評価が逆転し,鯛は最高の魚とされるようになったが,それには鯛が“めでたい”に通ずるといったこじつけが行われ,縁起のよい魚とされたことも大きな理由である。こうして祝膳には尾頭付きの鯛が欠かせぬものとなり,正月には干鯛2尾を結び合わせてかまどの上や門松に掛ける懸鯛(かけだい)の風習なども生じ,〈壱枚の代金壱両弐歩づつ,しかも尾かしらにて壱尺二三寸の中鯛なり〉(《日本永代蔵》)といった法外な高値が見られたこともある。料理としては刺身,塩焼き,潮汁,ちりなべ,蒸物,あら煮など,頭やあらまでを用いてさまざまに使われるが,1785年(天明5)刊の《鯛百珍料理秘密箱》には同工異曲のものが多いとはいえ,99種の料理が紹介されている。…

※「尾頭付き」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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