日本歴史地名大系 「山口保」の解説
山口保
やまぐちほ
旧中島郡内の国衙領。保内の地名、
嘉暦二年二月付の帰覚譲状(妙興寺文書)にみえる「一所壱町 山口保内堤上田故新殿跡」を保名の初見とする。文和二年(一三五三)七月付の尾張国郷保地頭正税弁済所々注進状案(醍醐寺文書)等によれば、当保は尾張国衙領のうち「一円地」に対して「正税地」と称せられる所領の一つで、地頭荒尾氏が国衙領主に対し一二〇貫文の正税を弁済する請所を成立させていた。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報