朝日日本歴史人物事典 「山口宗季」の解説
山口宗季
生年:尚貞4.11.3(1672.12.21)
首里王府時代の絵師。唐名は呉師虔。19歳で王府の絵師に任命,31歳のとき中国福州に絵画留学し,福州第1の絵師といわれた孫億のほか,順 梁亨や鄭大観に師事,同地に4年間滞在して精力的に画技を習得して帰国。帰国後の翌年(1708),許可を得て泉崎から王府近くの崎山に遷居,絵師主取となって薩摩藩主への進上品や国王の御後絵(肖像画)を描くなど,積極的な制作活動に従事しているが,花鳥図には孫億の影響が強く感じられる。また,中国伝来の朱肉(朱印色)調製技術を習得し,はじめて国内の朱肉製造に当たるなどの功績がある。<参考文献>『呉姓家譜』
(上江洲敏夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報