日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルクレール」の意味・わかりやすい解説
ルクレール(フランスの軍人)
るくれーる
Leclerc
(1902―1947)
本名Jacques Philippe de Hauteclocque。フランスの軍人。ソンム県の旧家に生まれ、サン・シール陸軍士官学校を卒業。第二次世界大戦初期にドイツ軍の捕虜となるが脱走してロンドンの自由フランス運動に参加し、ドイツ軍占領下の家族の安全のためルクレールと名のった。北アフリカでイタリア軍を相手として目覚ましい戦功を収めたのちフランス軍第二機甲師団を率いて1944年6月ノルマンディー上陸作戦に参加。8月24日にはパリ解放の先陣を務め国民的英雄となった。さらにストラスブールを解放し、1945年、終戦時にはベルヒテスガーデンまで進出した。その後インドシナ派遣軍総司令官として日本軍の対仏降伏文書に調印した。翌1946年北アフリカ派遣軍の総監となるが、1947年アルジェリアで飛行機事故死。1952年に元帥の称号を受けた。
[平瀬徹也]
ルクレール(Jean-Marie Leclair)
るくれーる
Jean-Marie Leclair
(1697―1764)
フランスの作曲家、バイオリン奏者。リヨンで生まれる。トリノの宮廷で舞踏家および教師として活動する一方、ソーミスに師事し、バイオリン技法を磨いた。1728年パリに戻り、バイオリン・ソナタ集を作曲・出版する一方、公開の演奏会で自作を演奏し、人気を博した。34年にルイ15世の宮廷バイオリン奏者になる。しばしばオランダなどへの演奏旅行を行い、フランス国外でも有名になった。43年、最終的にパリに居を構えたが、晩年は不遇であった。ルクレールは18世紀のフランスを代表する名バイオリン奏者であり、フランクールらとともにフランス・バイオリン楽派の祖とされている。パリに没。
[美山良夫]