日本歴史地名大系 「山口廃寺」の解説 山口廃寺やまぐちはいじ 和歌山県:和歌山市河北地区谷村山口廃寺[現在地名]和歌山市谷紀ノ川右岸に発達した標高三六メートルの洪積段丘上に位置。雄(お)ノ山(やま)峠越の中世以来の熊野街道と、淡島街道(旧南海道)との交点北西約二八〇メートルという交通の要衝にあたる。現在は塔心礎のほか若干の礎石群を残すのみであるが、出土した軒丸瓦の様式から白鳳期の寺跡であることがわかる。県指定史跡。「日本霊異記」下巻第三〇話に、「名草郡の能応(のお)の村」に「名をば弥勒寺と曰ひ、字を能応寺といふ」寺があり、宝亀一〇年(七七九)僧観規の作った仏像が完成して同寺で法会を営んだという話がみえ、これが当廃寺にあたるといわれる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by