朝日日本歴史人物事典 「山野茂樹」の解説
山野茂樹
生年:文政6(1823)
幕末維新期の弘前(津軽)藩士。弘前生まれ。名は元敏。初め主馬と称した。弘前藩の藩校稽古館の総司を務め,用人,参政を歴任。戊辰戦争においては奥羽鎮撫総督府に使者として赴くなど,対外折衝に活躍。維新後,100俵を給され,正小参事に任じられた。廃藩後は,養蚕の振興など士族授産の事業に尽力し,明治政府が実施した第1回の洋種果樹配布のうち,りんごの試植苗を受けたひとりであった。第2回,3回にもりんご苗の配布を受け,明治10(1877)年,りんごの初の結実に成功した人物として知られる。
(長谷川成一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報