岡湊神社(読み)おかのみなとじんじや

日本歴史地名大系 「岡湊神社」の解説

岡湊神社
おかのみなとじんじや

[現在地名]芦屋町船頭町

遠賀川河口部の西岸に位置する。旧県社。主祭神は大倉主命・菟夫羅媛命。古くは大倉おおくら社・大倉主おおくらぬし社と称したが、のちに素盞嗚命を配祀するようになり、祇園大倉社・祇園宮寺・祇園社・祇園宮などとよばれた。また同じく大倉主命、菟夫羅媛命(菟夫羅姫命)を主祭神とする岡垣おかがき高倉たかくら神社の別宮(下宮)とされていたことから、高倉下宮ともよばれ、かつての高倉神社の祭礼では、九月八日に同社の神輿が当社に渡御、翌九日に還御したという(「続風土記」「続風土記附録」など)。古くから芦屋の産土神として崇敬を集め、中世には社官・社領も多かったが、天正一四年(一五八六)薩摩島津義久の筑前侵攻によって社殿・社宝はことごとく焼失してしまい、翌一五年には豊臣秀吉によって社領もすべて没収されたという(岡湊三神縁起)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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