岡垣(読み)おかがき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「岡垣」の意味・わかりやすい解説

岡垣(町)
おかがき

福岡県北部、遠賀郡(おんがぐん)にある町。1962年(昭和37)町制施行。北部は海岸砂丘(三里松原)、西部は孔大寺(こだいじ)山地の丘陵性山地、南部は標高100メートル前後の古第三紀層丘陵が広がる。JR鹿児島本線、国道3号、495号が通じる。砂丘背後の低地稲作が、丘陵地を中心にビワミカンブドウなどの果樹栽培が盛んで、とくに高倉ビワは有名である。また、ブドウ(巨峰)やミカンの観光農園も盛ん。北九州市の通勤圏に入り、住宅地化が進行するとともに、兼業農家増加した。芦屋(あしや)町に続く老松の多い景勝地の三里松原、波津(はつ)海水浴場、名釣り場の波津城ノ瀬(じょうのせ)など、海岸一帯は玄海国定公園に指定されている。遠賀郡の総社であった高倉神社、九州成田山不動寺もある。面積48.64平方キロメートル、人口3万1007(2020)。

[石黒正紀]

『『岡垣町史』(1988・岡垣町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「岡垣」の意味・わかりやすい解説

岡垣[町] (おかがき)

福岡県北部,遠賀郡の町。人口3万2119(2010)。西部から南部にかけては三郡山地北部に属する山地が連なり,北は響灘に臨み三里松原をのせる砂丘が発達,その内側から東部は矢矧(やはぎ)川,石川沿いに沖積低地が開けている。主産業の農業は,米,麦のほか,山麓の高倉一帯ではビワやミカンなどの果樹,砂丘付近は野菜栽培が盛んで,北九州市の近郊農業地域を形成している。また波津(はつ)漁港を基地とする近海漁業も盛んである。南東部はJR鹿児島本線,国道3号線が通過し交通至便のため,近年は北九州市のベッドタウン化が進行している。三里松原は玄海国定公園に含まれ,雄大な景観を呈する。湯川山麓の景勝地に九州成田山不動寺がある。
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百科事典マイペディア 「岡垣」の意味・わかりやすい解説

岡垣[町]【おかがき】

福岡県北部,響(ひびき)灘に面する遠賀(おんが)郡の町。小河川の沖積低地で米作,高倉地区中心に山麓でビワ,ミカンの栽培,砂丘地で野菜栽培が行われるが,近年都市化が進み,農業就業者,農家数は減少傾向にある。鹿児島本線が通じ,北九州市への通勤者も増加。三里松原は玄海国定公園に属する。48.64km2。3万2119人(2010)。

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