岩田 健治(読み)イワタ ケンジ

20世紀日本人名事典 「岩田 健治」の解説

岩田 健治
イワタ ケンジ

大正・昭和期の教育者,労働運動家



生年
明治30(1897)年10月19日

没年
昭和36(1961)年3月3日

出生地
長野県南佐久郡田口村

学歴〔年〕
長野師範学校〔大正7年〕卒

経歴
長野県下の小学校の訓導歴任し、昭和7年同県北佐久郡高瀬小学校校長に就任修身の時間に国定教科書を退けてトルストイ民話を用い、図画では自由画を教えるなど、自由主義的な教育指導を実践した。一方で若い教師たちを集めて農村問題の勉強会を開くなど社会主義にも関心を持ち、同年には新興教育研究所長野支部・全協一般使用人組合教育労働部長野支部に加わった。しかし、8年の教員赤化事件で唯一の現職校長として検挙され、懲戒免職。その後は事件に関係した若手教師の復職のために奔走、自身も青年学校の臨時教師として復職するが、前歴のため間もなく失職した。戦後は日本農民組合南佐久連合会を組織して委員長や書記長を歴任。また日本共産党に入党し、21年に行われた戦後初の衆議院選挙にも立候補した。著書に「村の経済六十年史」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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