岸田國士(読み)キシダ クニオ

20世紀日本人名事典 「岸田國士」の解説

岸田 國士
キシダ クニオ

大正・昭和期の劇作家,小説家,翻訳家,演出家 文学座創立者。



生年
明治23(1890)年11月2日

没年
昭和29(1954)年3月5日

出生地
東京市四谷区右京町(現・東京都新宿区)

学歴〔年〕
陸士(第24期)〔明治45年〕卒,東京帝大仏文科選科卒

経歴
陸軍幼年学校本科を経て、士官候補生として久留米歩兵第四八連隊に配属される。明治45年士官学校を卒業。大正3年病気で休職し、6年東京帝大仏文科選科に入学。8年から12年まで渡仏し、演劇の勉強をする。13年戯曲「古い玩具」「チロルの秋」を発表し、注目される。以後、演劇、小説、翻訳の分野で幅広く活躍。戯曲としては「紙風船」「牛山ホテル」「浅間山」「歳月」などがあり、小説では「由利旗江」「双面神」「落葉日記」「暖流」などがあり、翻訳では「にんじん」「ルナアル日記」「カザノヴァ回想録」などがある。また昭和12年に久保田万太郎岩田豊雄とともに文学座を創立。演劇指導者として、演出家としても新劇の育成に多大な貢献をした。15〜17年大政翼賛会の文化部長を務めたため、戦後公職追放となる。追放解除後の25年“雲の会”を結成して文学の立体化運動を始めた。28年岸田演劇賞が創設され、29年没後から岸田國士戯曲賞となって今日に引継がれている。「岸田國士全集」(全10巻 新潮社)「岸田國士全集」(戯曲7巻・小説11巻・評論随筆9巻 岩波書店)がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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