島平浦(読み)しまびらうら

日本歴史地名大系 「島平浦」の解説

島平浦
しまびらうら

[現在地名]串木野市東島平町・西島平町・長崎町・下名

下名しもんみよう村の南部に位置し、西に開けた浦を中心に発展した。島津義久朝鮮出兵の際、名護屋なごや(現佐賀県鎮西町)豊臣秀吉に会うため、天正二〇年(一五九二)五月、当地に寄り串木野湊より出船している。同月当湊の船が朝鮮より帰着し、義弘父子が無事釜山に到着したことを伝えた(「島津義久譜」旧記雑録など)。義弘は慶長三年(一五九八)一二月、朝鮮人を連行し、その一部は島平に上陸した。当地では四三名が農業をしながら陶器を製造していたが、同八年苗代川なえしろがわ(現東市来町)へ移住した(伊集院由緒記・留帳)。現在壺屋つぼやに串木野窯跡が残る。昭和九年(一九三四)発掘調査が行われ、蛇窯とよばれる雑器窯で、黒物・白色雑器・陶犬などが出土した(薩摩焼の研究)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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