川合義虎(読み)かわいよしとら

改訂新版 世界大百科事典 「川合義虎」の意味・わかりやすい解説

川合義虎 (かわいよしとら)
生没年:1902-23(明治35-大正12)

大正期の社会主義者。本名川江善虎。長野県生れ。1918年日立鉱山付属鉄工所旋盤見習工となり,そこで相馬一郎,丹野セツらを知る。20年9月上京,暁民会に参加。12月日本社会主義同盟創立大会に出席,検挙入獄。22年夏共産党入党,10月渡辺政之輔らと南葛労働協会(のち南葛労働会と改称)を創立,労働運動に献身。23年4月日本共産青年同盟創立の際,初代委員長に就任したが,9月関東大震災直後に亀戸署で虐殺された(亀戸事件)。
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朝日日本歴史人物事典 「川合義虎」の解説

川合義虎

没年:大正12.9.4(1923)
生年:明治35.7.18(1902)
大正期の社会主義者。長野県上田市の出身。戸籍名は川江義虎。父は善作,母はタマ。父と共に,足尾,秋田,日立など各地の鉱山を転々としたのち上京し,曉民会に加入。日本社会主義同盟の結成大会に参加した。大正11(1922)年日本共産党の創立とともに入党した。渡辺政之輔らと南葛労働会を結成し,各地の労働争議に当たる。12年,日本共産青年同盟の創立に参加し初代委員長となる。つねに楽天的で「未来は青年のものである」といっていた。同年9月1日の関東大震災に際し,亀戸警察署に検束され,4日夜半,近衛師団習志野騎兵13連隊の手によって殺害された(亀戸事件)。<参考文献>加藤文三『川合義虎』

(加藤文三)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「川合義虎」の解説

川合義虎 かわい-よしとら

1902-1923 大正時代の労働運動家。
明治35年7月18日生まれ。大正11年共産党に入党し,渡辺政之輔らと南葛労働協会を結成。12年日本共産青年同盟初代委員長となるが,関東大震災に際し検束され,同年9月4日亀戸警察署で殺害された。22歳。長野県出身。本名は川江善虎。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の川合義虎の言及

【亀戸事件】より

…1923年9月1日に起こった関東大震災の混乱に乗じ,東京亀戸警察署で9名の労働運動家が虐殺された事件。9月3日,元友愛会幹部・元純労働者組合組合長平沢計七,共産青年同盟委員長・南葛労働会組合員川合義虎らが亀戸警察署に拘留され,同夜から5日未明の間に騎兵第13連隊の兵士によって殺された。10月10日に事件が発表されたが,事件発生直後から南葛労働会,総同盟などの労働組合と自由法曹団が真相究明に乗りだした。…

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