川施餓鬼(読み)カワセガキ

デジタル大辞泉 「川施餓鬼」の意味・読み・例文・類語

かわ‐せがき〔かは‐〕【川施餓鬼】

水死人の霊を弔うために、川岸や舟の上で行う施餓鬼供養。 秋》

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「川施餓鬼」の意味・読み・例文・類語

かわ‐せがき かは‥【川施餓鬼】

〘名〙
① 水死した人の冥福を祈って、川で行なう施餓鬼供養。多くは川に漕ぎ出し、塔婆水中に立て、あるいは経木、紙などに死者の法名を記し、河中に投げるなどして回向する。盆の頃多く行なわれ、流灌頂(ながれかんじょう)に起因するものという。《季・秋》
※雑俳・蓍萩(1735)「経文に水かけ合の川施餓鬼」
黄表紙・憎口返答返(1780)「屋形舟を借りて川施餓鬼とやら」
難産で死んだ産婦をとむらうこと。流灌頂から転じたもの。
※俳諧・類船集(1676)世「難産して身まかりたるを川せがきといふ事をすとかや」

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世界大百科事典(旧版)内の川施餓鬼の言及

【施餓鬼】より

…溺死者やお産で死んだ女性,また魚類の供養などは,舟中や川辺で施餓鬼会が行われた。これを川施餓鬼という。施餓鬼会の作法は経軌によるが,宗派による相違が多少みられる。…

※「川施餓鬼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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