旺文社世界史事典 三訂版 「州県制」の解説
州県制
しゅうけんせい
秦の郡県制を継いだ漢では,地方行政権を握った郡の太守を監督するため,全国を13州に分かち,刺史 (しし) を設置した。後漢 (ごかん) 代には,州は郡県に対する上級行政機関として明確化され,中央から派遣された州刺史・郡太守・県令(長吏)らによって統率され,地方出身者はその下僚(小吏)として任用された。やがてしだいに郷挙里選 (きようきよりせん) の道が開かれると,豪族の地方官職への進出が始まり,官制の複雑化,官吏数の増大を招いた。そこで隋の楊堅 (ようけん) (文帝)は郡を廃して州県制とし,州県の官を中央の任命制に改め,地方政治に対する君主専制を強化した。州県制は唐代に引き継がれて完成し,のちの中国歴代の地方行政組織の基本となった。
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