日本大百科全書(ニッポニカ) 「左院・右院」の意味・わかりやすい解説
左院・右院
さいんういん
明治初期、立法に関与した政府機関。1871年(明治4)7月、廃藩置県の直後、行政機構が改革され、太政官(だじょうかん)を分かって正院(せいいん)および左院・右院が置かれた。左院は立法府にあたるもので、各種法律の起草に着手した。議長は参議の兼任または一等議員から任命され、初代議長は後藤象二郎(ごとうしょうじろう)であった。議員(のち議官と改称)は一等~三等に分かれ官選。右院は各省の長官、次官(卿(きょう)、輔(ほ))によって構成され、法案を起草し、各省行政の得失の審議にあたったが、実質的には各省の連絡機関にすぎず、ほとんど活動しなかった。73年、臨時の機関と改められて機能が低下。75年、大阪会議の結果、元老院、大審院が設置され、左院・右院ともに廃止された。
[時野谷勝]