日本大百科全書(ニッポニカ) 「アミノ安息香酸」の意味・わかりやすい解説
アミノ安息香酸
あみのあんそくこうさん
aminobenzoic acid
芳香族アミノ酸の一つ。アミノ基-NH2とカルボキシ基-COOHの置換位置により、o(オルト)、m(メタ)、p(パラ)の3種の異性体があるが、m置換体はさほど重要でない。o置換体はアントラニル酸とよばれる。
[山本 学]
p-アミノ安息香酸
抗白毛症因子ともいう。ビタミンB複合体の一つとして天然に存在している。淡黄色の結晶。p-ニトロ安息香酸を、鉄と塩酸で還元して得る。水、エタノール(エチルアルコール)、エーテルに可溶。合成染料の中間体となるほか、薬用化粧品、日焼け止めなどの医薬品の合成原料となる。この化合物のエステルには、局所麻酔薬として知られているものが多い。
[山本 学]