吉賀(読み)よしか

改訂新版 世界大百科事典 「吉賀」の意味・わかりやすい解説

吉賀[町] (よしか)

島根県南西部,鹿足(かのあし)郡の町。2005年10月六日市(むいかいち)町と柿木(かきのき)村が合体して成立した。人口6810(2010)。

吉賀町西部の旧村。鹿足郡所属。人口1848(2000)。高津川の上流域を占め,西は山口県に接する中国山地の山村。藩政時代には津和野城下と安芸国の廿日市を結ぶ参勤交代路にあり,宿場町として栄えた。山林が広く,林業が盛んで,シイタケワサビ,栗を産する。高津川ではアユ漁が行われる。福川には文禄・慶長の役に連れ帰った朝鮮の陶工季郎子の窯跡と墓がある。高津川沿いに国道187号線が通じる。柿木温泉,椛谷渓谷がある。

吉賀町中東部の旧町。鹿足郡所属。人口6331(2000)。高津川上流域に位置し,東と南は山口県に接する。江戸時代は津和野藩領で,中心集落の六日市と七日市は津和野城下と安芸廿日市を結ぶ参勤交代路の宿場町,市場町として発展した。津和野藩の手すき和紙の生産では最も重要な地位を占めた。現在は米作を中心にシイタケ,ワサビを栽培し,リンゴの特産がある。国道187号線が通り中国自動車道の六日市インターチェンジもあって交通の便がよいため,縫製,機械などの工場が進出している。注連川(しめがわ)にある道面家住宅(江戸後期の農家)は重要文化財
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「吉賀」の意味・わかりやすい解説

吉賀(町)
よしか

島根県南西端、鹿足(かのあし)郡にある町。2005年(平成17)六日市町(むいかいちちょう)と柿木村(かきのきむら)が合併して、吉賀町となった。高津川とその支流の流域に位置し、安蔵寺(あぞうじ)山(1263メートル)などの山々に囲まれ、町域の92%は林野で占める。山口県に接し、経済活動も山口県との結び付きが多い。古くから吉賀地方とよばれていて、江戸時代は津和野藩領に属し、参勤交代に使われた街道に沿う宿場町、市場町として繁栄した。現在は国道187号が通じ、中国自動車道の六日市インターチェンジも設置され、島根県の西の玄関口となっている。自然の豊かな中山間地域であるが、耕地が少なく、過疎化が進んでいる。稲作のほかに、高冷地野菜生産が盛んで、山陽地方や京阪神に出荷されている。またワサビやシイタケ、クリ、リンゴなどの栽培も行われている。椛谷(かばだに)峡、長瀬峡などの景勝地があり、コウヤマキやシャクナゲの自然林がみられる。注連川(しめがわ)地区の旧道面家住宅(どうめんけじゅうたく)は19世紀初期の農家建築で、国指定重要文化財。面積336.50平方キロメートル、人口6077(2020)。

[編集部]


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百科事典マイペディア 「吉賀」の意味・わかりやすい解説

吉賀[町]【よしか】

島根県南部に位置する鹿足郡の町。町の南縁を山口県に接する。2005年10月,鹿足郡六日市町,柿木村が合併し町制。中国自動車道,国道187号線が通じる。336.50km2。6810人(2010)。

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