次官(読み)ジカン

デジタル大辞泉 「次官」の意味・読み・例文・類語

じ‐かん〔‐クワン〕【次官】

官職で、長官に次ぐもの。
各省庁の長である国務大臣、並びに副大臣大臣政務官の下に位し、官僚最高位事務次官
[類語]長官政務官事務次官事務官技官参事官

すけ【次官】

律令制で、四等官しとうかんの第二位。職掌は長官かみと同じで、長官を補佐し、時にその代理をする。「輔」「介」など官司により用字が異なる。→四等官

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精選版 日本国語大辞典 「次官」の意味・読み・例文・類語

すけ【次官】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 令制で、四等官の第二番目。長官(かみ)の下、判官(じょう)の上位。長官を補佐し、代理もする。官司により「すけ」の文字が異なる。じかん。
    1. [初出の実例]「其の長官(かみ)に従者(ともならむひと)は九人。次官(スケ)に従者は七人」(出典日本書紀(720)大化元年八月(北野本訓))
    2. [その他の文献]〔二十巻本和名抄(934頃)〕
  3. 明治の新政府が明治元年(一八六八)二月から同三年一一月にかけて設置した官職で、各役所の次長。官によって字が異なる。

次官の補助注記

各官司によって次の字をあてたり、官を相当させたりする。神祇官では副、太政官では大納言・中納言・参議がこれにあたる。以下、輔(省)、亮(坊・職)、助(寮)、佐(衛府)、大・少弐(大宰府)、介(国)、少領(郡)など。官司によって大少の別があり、それぞれ相当位も異なる。


じ‐かん‥クヮン【次官】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「しかん」とも )
  2. 官職で、長官に次ぐもの。
    1. [初出の実例]「加比丹(カビテイン)の次官なる人」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一)
  3. 令制で、長官(かみ)・次官(すけ)・判官(じょう)主典(さかん)の四等官のうちの第二位の官職。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
  4. 各省および国務大臣が長となる庁に置かれる大臣の補佐機関省務庁務を整理し各部局の事務を監督する。事務次官。
    1. [初出の実例]「高山某と云ふ或る省の次官は」(出典:花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉下)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「次官」の意味・わかりやすい解説

次官(行政)
じかん

日本の行政組織である各省および国務大臣が長となる庁に置かれる、大臣または長官の補佐機関。

[編集部]

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改訂新版 世界大百科事典 「次官」の意味・わかりやすい解説

次官 (じかん)

各省庁の国務大臣の職務を補佐する機関で,行政事務担当の事務次官と政務担当の政務次官とがある。詳しくは〈事務次官〉と〈政務次官〉の項目を参照されたい。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「次官」の解説

次官
すけ

律令官制の四等官の第2等官。職掌は長官(かみ)と同じで,神祇官の副,八省の輔,弾正台の弼,職・坊の亮,寮の助,大宰府の弐,国の介,五衛府の佐(大宝令の兵衛府は翼),家令の扶など。官名には長官をたすける意味の用字が用いられており,長官不在のときは押印も執行した。定員は官司によって2人・1人・なしの別があり,2人の場合は大少を冠した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「次官」の意味・わかりやすい解説

次官
すけ

律令制官職の四等官の第2位の官。長官 (かみ) の補佐を任務とする。文字は,副,輔,亮,助,弼,佐,介など官署により異なる。

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旺文社日本史事典 三訂版 「次官」の解説

次官
すけ

律令制下,四等官の第2位の官職。

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世界大百科事典(旧版)内の次官の言及

【四等官】より

…律令官制においては,各官司の主要な職員は,長官(かみ),次官(すけ),判官(じょう),主典(さかん)の4等級に分かれて職務を分掌した。これを四等官,四分(部)官という。…

【事務次官】より

…国の各省および国務大臣を長とする庁(経済企画庁,環境庁など)に1人ずつ置かれている職で,その機関の長である大臣を助け,省庁の事務について調整を行い,省庁内の各部局を監督することを職務とする。各省官制通則の制定(1893)以来,国家行政組織法の制定(1948)までは次官と呼ばれた。省庁内で大臣,政務次官に次ぐ職位といってよいが,政治的任命職である大臣,政務次官と異なり,政治的任免に対して身分を保障された一般職である。…

※「次官」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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