市の瀬地下式横穴墓群(読み)いちのせちかしきよこあなぼぐん

日本歴史地名大系 「市の瀬地下式横穴墓群」の解説

市の瀬地下式横穴墓群
いちのせちかしきよこあなぼぐん

[現在地名]国富町深年 市の瀬

深年ふかどし川左岸の標高約一二〇―一三〇メートルの市の瀬台地上に立地する。三次にわたる発掘調査が行われており、昭和四三年(一九六八)一―四号墓、同五八年五―九号墓、同五九年には一〇号墓の調査が行われた。これらは出土地点によって、台地の中央部(一―四号墓)と西端部(五―一〇号墓)の二群に分けられる。いずれも羨門閉塞で平入りが主流であるが、玄室規模が二―三メートル級の妻入り三基も含まれている。玄室はすべて長方形プランで、妻入り・平入りの別を問わず大きな河原石で屍床を造るものや、軒先棟木などの家形を模したものが多くみられる。被葬者は平入りがすべて単体葬であるのに対して、妻入りでは追葬例が認められる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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