日本歴史地名大系 「市来村」の解説 市来村いちきむら 鹿児島県:垂水市市来村[現在地名]垂水市市木(いちき)田神(たがみ)村の北に位置する。北は荒崎(あらさき)鼻を境に中俣(なかまた)村に接し,西は海に面している。海岸地帯および河崎(かわさき)川流域に平地が開け、東はシラス台地や山地で高隈(たかくま)山麓に及ぶ。市来浦があり、市木とも記される。中世は下大隅郡(下大隅)のうちに含まれ、元垂水(もとたるみず)に垂水城(荒崎城)跡がある。永享六年(一四三四)一〇月二九日の石井忠義寄進状(旧記雑録)によると、「下大隅市木内八郎次郎塩屋一年貢三貫文定」が鹿児島福昌寺に寄進されている。豊前宇佐宮留守職教清の子舜清は保安元年(一一二〇)に垂水に下向、同四年に蒲生(かもう)院・吉田(よしだ)院を領して蒲生に移り、蒲生氏を称しているが(「蒲生氏系図」蒲生郷土誌)、舜清の垂水の拠点は垂水城と伝えられる。のち垂水は石井氏・伊地知氏・川田氏の所領となる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by