市道遺跡(読み)いちみちいせき

日本歴史地名大系 「市道遺跡」の解説

市道遺跡
いちみちいせき

[現在地名]豊橋市牟呂公文町

とよ川左岸下流部に位置し、標高五メートルの低位段丘先端部に立地する。昭和五九年(一九八四)から平成七年(一九九六)までの発掘調査により、掘立柱建物を中心としてきわめて注目すべき遺構群が発見されている。遺跡は古代から中世期にかけて展開し、なかでも八世紀から九世紀頃の整然と配置された掘立柱建物群は、当地域を中心に活躍した有力氏族の居住地として注目されている。

遺跡の変遷はまず古代前期として、南西に近接する大西おおにし遺跡の衰退とともに遺跡が展開しはじめ、整然とした建物配置を伴う居館域に接して、八世紀初め頃には三河国渥美あつみ郡の郡領クラスの氏寺として遺跡内に市道廃寺が創建される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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