常陸神社(読み)ひたちじんじや

日本歴史地名大系 「常陸神社」の解説

常陸神社
ひたちじんじや

[現在地名]奈良市法蓮町

興福こんぶ院の北西、俗に佐保さほ岡と称する地に鎮座する。祭神少彦名すくなひこな命。創祀は定かでないが、奈良時代にある公家の屋敷で祀っていたのを、後世村人が奉祀するようになったと伝えられる。とくに女性の信者が多く、江戸時代頃から参詣人で賑わったらしい(南都名所集)境内に延宝五年(一六七七)の手水鉢がある。一条通から当社前を経て黒髪くろかみ山へ通ずる道を古く「ひだち道」とよび、一条通には道標が残っている。上田秋成は「火たち山とはいにしへ佐保山に火はうむりせし事のあるそのけがしき火の気の立ちしにや呼ぶらん」と考証し(山裹)、ちなみに当社裏山からドリームランドへかけて数基の古墳が確認されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android