幡枝村(読み)はたえだむら

日本歴史地名大系 「幡枝村」の解説

幡枝村
はたえだむら

[現在地名]左京区岩倉いわくら木野きの町・幡枝町〉

上賀茂深泥みどろいけの北にあり鞍馬くらま街道に沿った村落貴船きぶね社・鞍馬寺への参詣道筋にあたり、幡枝、福枝ふくえだ、木野の三集落よりなる。

伝承によれば、もと鉾枝ほこえだと称したが、寛平六年(八九四)石清水いわしみず八幡宮(現京都府八幡市)を勧請してより幡枝と改めたといわれる(京都府愛宕郡村志)。寛仁二年(一〇一八)賀茂御祖かもみおや神社(下鴨社)に寄進された四郷(栗野郷・蓼倉郷・上粟田郷・出雲郷)の地域内に含まれており(「小右記」同年一一月二五日条)中世には「親長卿記」文明二年(一四七〇)一〇月一〇日条に「末社領幡枝郷」とある。

文献上では「山槐記」治承二年(一一七八)正月二三日条に「自中山堂参鞍馬寺、於美土呂坂逢右少将(平)維盛朝臣、(中略)侍五人騎馬在前後、又十余人下居波太枝堂、今暁為狩猟向櫟原野云々」すなわち波太枝と記されるのが早く、前引「親長卿記」明応二年(一四九三)一〇月八日条には「畑枝」と記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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