平らぐ(読み)タイラグ

デジタル大辞泉 「平らぐ」の意味・読み・例文・類語

たいら・ぐ〔たひらぐ〕【平らぐ】

[動ガ五(四)]
穏やかになる。おさまる。しずまる。
「たぎりたる脳の漸く―・ぎて」〈漱石・薤露行〉
平らになる。
「山の頂の少し―・ぎたるより、煙は立ちのぼる」〈更級
病気が治る。全快する。
朱雀院の御薬のこと、なほ―・ぎはてたまはぬにより、楽人などは召さず」〈・若菜上〉
[動ガ下二]たいらげる」の文語形

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「平らぐ」の意味・読み・例文・類語

たいら・ぐたひらぐ【平】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ガ四段活用 〙
    1. 起伏がなく平らになる。平坦になる。
      1. [初出の実例]「山の頂の少し平ぎたるより、煙は立ちのぼる」(出典:更級日記(1059頃))
    2. 乱れやさわぎなどが平穏にしずまる。また、乱れやさわぎが起こらないで平安である。
      1. [初出の実例]「御もののけたひらぎたるさまなれば」(出典:栄花物語(1028‐92頃)玉の飾)
    3. 病気がなおる。平癒する。
      1. [初出の実例]「了然(さやか)に痊復(タヒラキ)ぬ」(出典:天理本金剛般若経集験記平安初期点(850頃))
      2. 「病着(いたつき)いよよ平(タヒラ)ぎ給へば」(出典:読本南総里見八犬伝(1814‐42)九)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙たいらげる(平)

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