楽人(読み)がくにん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

楽人
がくにん

雅楽演奏家。宮廷や寺社で専門に雅楽を演奏する者。後陽成天皇以降,大内楽所で仕えた宮廷の楽,天王寺楽所に所属した大坂四天王寺の楽人,南都楽所の興福時の楽人の3つをあわせて,京都・天王寺・奈良方の3系統の楽人から成る「三方楽所」ができた。今日では宮内庁楽部の楽人までつながっている。 (→三方楽人 )

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大辞林 第三版の解説

うたまいのひと【楽人】

音楽・歌舞を職とする人。雅楽の楽人。伶人れいじん。 「種々くさぐさの-八十やそたりを貢上みつきたてまつりき/日本書紀 允恭訓

がくじん【楽人】

音楽を演奏する人。特に、雅楽を演奏する人。伶人れいじん。がくにん。

がくにん【楽人】

らくじん【楽人】

苦労がなく気楽な人。

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精選版 日本国語大辞典の解説

がく‐じん【楽人】

〘名〙 音楽を演奏する役割の人。音楽を業とする者。がくにん。
※青春(1905‐06)〈小栗風葉〉春「楽人(ガクジン)の手に上って見ない事には、成功するか為ないか、我々素人には到底(とて)も曲譜丈では分りませんが」 〔礼記‐少儀〕

がく‐にん【楽人】

〘名〙
① 平安以後、雅楽寮(うたりょう)や諸所の楽所(がくしょ)に付属して楽事を教習し伝承した人。また、その家柄。朝廷では、楽所別当の下にいて、近衛将曹あるいは将監に任ぜられ、位階は五位、六位に叙された。楽家。伶人(れいじん)。楽師。楽士。がくじん。
※貞信公記‐抄・天暦二年(948)三月三〇日「雅楽寮楽人召御前種々音楽者」
※宇津保(970‐999頃)楼上下「がくにん召して、西ひんがしにて遊せさせん、とおぼして」 〔礼記‐少儀〕
② 催しの際などに、音楽を演奏する役割の人。がくじん。
※源氏(1001‐14頃)末摘花「朱雀院の行幸、今日なむがく人舞人定めらるべきよしよべ承りしを」
※羅葡日辞書(1595)「Pulpitum〈略〉ブタイニ ヲイテ gacuninno(ガクニンノ) イル タカキ トコロ」
[語誌](①について) 中世以降になると朝廷の楽所も形式化し、相続く戦乱によって楽家の継承も困難となり、各地の寺社に属して活動するようになった。京都に多(おおの)、豊原、安倍、大神(おおみわ)、藤原、尾張の六姓の楽家があって、朝廷の楽事をつかさどったが、尾張氏は早く断絶。奈良には狛(こま)姓の楽家があって春日神社に奉仕し、摂津の天王寺には秦(はた)姓の楽家があった。この京都、奈良、天王寺の楽家を三方の楽所(楽人)といった。その他の諸寺院にもあり、江戸時代の楽家数はおよそ五〇家。

らく‐じん【楽人】

〘名〙 生活の苦労のない人。気楽にくらす人。また、金持
浮世草子・新可笑記(1688)四「二男はかねて病者といへば向後楽人(ラクじん)となるべし」

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