平らげる(読み)タイラゲル

デジタル大辞泉 「平らげる」の意味・読み・例文・類語

たいら・げる〔たひらげる〕【平らげる】

[動ガ下一][文]たひら・ぐ[ガ下二]
反抗する者や敵を討ち、世をしずめる。平定する。「賊を―・げる」
すっかり食べてしまう。「二人前の料理を―・げる」
高低をなくす。平らにする。ならす。
粗削りに―・げたる樫の頸筋を」〈漱石虞美人草
「金ほらんがためにさかしき峰を―・げ」〈十訓抄・七〉
[類語](1鎮圧鎮定平定制圧鎮める鎮撫/(2食べる食うしょくする喫するしたためる食らうぱくつく頰張ほおばき込むつつく賞味する味わう口にするはしを付けるもりもり食欲がぶっとがぶりぱくっとぱくりもぐもぐもごもごがつがつぱくぱくばくばくむしゃむしゃがっつくむさぼるむさぼり食う詰め込む大食い食い道楽ぺろっと食い気食い意地舌なめずりのどが鳴る空腹ぺこぺこ腹ぺこ

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精選版 日本国語大辞典 「平らげる」の意味・読み・例文・類語

たいら・げるたひらげる【平】

  1. 〘 他動詞 ガ下一段活用 〙
    [ 文語形 ]たひら・ぐ 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙
  2. 物の起伏をなくす。高低をなくす。平らにする。ならす。
    1. [初出の実例]「夕庭に 踏み多比良気(タヒラゲ)ず」(出典万葉集(8C後)一七・三九五七)
    2. 「この山の頂をたいらげさせ給て」(出典:栄花物語(1028‐92頃)うたがひ)
  3. さまたげとなるものを、平定する。討ちしずめる。退治する。取り除く。
    1. [初出の実例]「経津主神、岐(くなと)の神を以て郷導(くにのみちひき)と為て、周流(めぐり)つつ削平(タヒラク)」(出典:日本書紀(720)神代下(兼方本訓))
    2. 「度々の朝敵をたいらげ」(出典:平家物語(13C前)一〇)
  4. 食べ物や飲み物を、残らず食べつくす、または飲みつくす。
    1. [初出の実例]「ひやめしをたいらげて行下女がはは」(出典:雑俳・柳多留拾遺(1801)巻一九)

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