国指定史跡ガイド 「平城京朱雀大路跡」の解説
へいじょうきょうすざくおおじあと【平城京朱雀大路跡】
奈良県奈良市二条大路南・三条大路にある平城京の中心街路。1984年(昭和59)、すでに特別史跡として発掘調査や遺構整備が進んでいた平城京跡から南の大宮通りまでの南北約220m(幅約90m)の部分を国の史跡に指定。平城京南の表玄関羅城門から南面正門の朱雀(すざく)門にいたる南北約3.7kmに延びる朱雀大路には、道路としての機能だけではなく、外国使節の通行にも配慮し、規模や周辺条坊の景観にまで壮観さがほどこされた。1974年(昭和49)からの発掘調査によって大路の方位が明らかになるとともに、幅員は東西両側溝の中心間が約74mで、『延喜式』の記載よりもやや広いこと、三条における東西の築地の距離は28丈(約85m)で『延喜式』と一致することなどが判明。大路の下層からは幅23m前後の下ツ道の遺構も発見された。2010年(平成22)には朱雀門南側から幅約70m、長さ210mの大路が復元・整備された。近畿日本鉄道奈良線近鉄奈良駅から奈良交通バス「二条大路南四丁目」下車、徒歩すぐ。