平尾城跡(読み)ひらおじようあと

日本歴史地名大系 「平尾城跡」の解説

平尾城跡
ひらおじようあと

[現在地名]美原町平尾

平尾集落から羽曳野はびきの丘陵を越えて東方富田林とんだばやし喜志きしへ抜ける喜志街道と、ほぼ北流する小平尾こびらお小川の交差地点南東部、羽曳野丘陵の舌状台地突端部にあったと推定される。羽曳野丘陵を背に北西方向に開けており、前面に小平尾小川を控え、北西方向からの敵に対する防御に優れていたと考えられる。字名ネハンじよから涅槃ねはん城ともよばれる。開発によって削平され遺構などは不明。城跡推定地北東部の羽曳野丘陵へ入組んだ谷地に字名楠木谷くすんだにがある。

永徳二年(一三八二)三月の出雲国須波部新左衛門入道軍忠状(南山巡狩録追加)に「河内国平尾御合戦」、同三年七月日付通法寺別当実尊言上状(「通法寺興廃記」増本家蔵)に「爰楠正儀討負去年平尾合戦之」とみえ、このとき山名氏清に敗れた楠木正儀が籠った「旧居之要害」(前掲言上状)が平尾城と考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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