平戸往還(読み)ひらどおうかん

日本歴史地名大系 「平戸往還」の解説

平戸往還
ひらどおうかん

江戸時代からの街道で、平戸街道・平戸路などとも称された。平戸城下のある平戸島から船で平戸瀬戸を渡って渡頭集落のノ浦(現田平町)に通じ、彼杵そのき(現東彼杵町)では大村湾を渡海して時津とぎつ(現時津町)に結ばれており、長崎市中への短路となっている。このほぼ南北に通る路程の途中にある早岐はいき(現佐世保市)では有田ありた街道が分岐する。平戸口にあたる日ノ浦からは江迎えむかえ(現江迎町)佐々さざ(現佐々町)江里えり(現同上)半坂はんざか(現佐世保市・佐々町)中里なかざと村・堺木さかいぎ峠・佐世保させぼ村・日宇ひう村・早岐村(現佐世保市)平戸藩領の各宿場や峠を経て進むと大村藩領境のノ峰の峠に至り、ここには番所が置かれている。さらにみや(現同上)はり峠・川棚かわたな宿(現川棚町)を過ぎると彼杵宿に着くが、この間一六里という(西遊日記)

平戸城主の参勤交代路または長崎警衛の勤番に利用される要路で、寛永一七年(一六四〇)平戸領内では街道筋を残らず松並木とし、また一里塚を築かせたという(松浦家世伝草稿)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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