朝日日本歴史人物事典 「平範輔」の解説
平範輔
生年:建久3(1192)
鎌倉初期の公卿。父は治部卿親輔。弁官,蔵人頭などを歴任,すぐれた実務官僚として朝廷の公事をとりしきった。文暦1(1234)年には権中納言に任じられたが,権中納言にまで昇るのは当時の堂上平氏としては異例のことで,その精勤ぶりが高く評価されていたことを物語る。紀伝・明経のみならず,明法道についても研究をおこたらず,仗議(太政官政治における国政議定の一方式)の席などでは態度,発言内容ともに立派であったという。日記に『範輔卿記』(『要記』)がある。
(本郷恵子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報