朝日日本歴史人物事典 「幸阿弥道長」の解説
幸阿弥道長
生年:応永17(1410)
室町中期の蒔絵師。通称は四郎左衛門。入道して宗月道長日輝と号する。江戸時代に徳川幕府お抱えの蒔絵師となった幸阿弥家の初代で,『幸阿弥家伝書』によれば,室町幕府8代将軍足利義政の側近くに仕え,所領として近江国(滋賀県)栗本郡を賜ったという。また,研出蒔絵,高蒔絵など,蒔絵の複雑な技巧に長じ,能阿弥,相阿弥,土佐光信など,当時一流の絵師の下絵による蒔絵作品を数多く制作したと伝えられる。なお,道長の本姓は土岐氏で,その阿弥陀号である幸阿弥が後世の家名となった。
(小松大秀)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報