ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オルジェイ・テムル」の意味・わかりやすい解説
オルジェイ・テムル
Öljei Temür
[没]1412
モンゴル,北元第8代のカガン (在位 1408~12) 。オイラート (瓦剌)の手を逃れ,1398年アフガニスタンのカブールに駐営していたチムール (帖木児)のもとに亡命,チムールの宮廷ではタイジ・オグラン (皇太子) の名で知られている。チムールの死後,1408年モンゴルに帰り,アルクタイ (阿魯台)らに擁立され,鬼力赤 (きりょくせき) に代ってカガン位につき,プニヤシュリー・ハンと号した。新しい指導者を迎えて北元は再び勢力を盛返すかにみえたが,この形勢を憂慮した明の成祖永楽帝の「五出三犂」と呼ばれる5回の親征を受けて衰退し,この結果オイラートのマハムードの勢力が強まり,12年プニヤシュリー・ハンは殺され,第9代ダルバク・ハンがマハムードによって立てられた。
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