ルネサンス史(読み)るねさんすしねんぴょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルネサンス史」の意味・わかりやすい解説

ルネサンス史(年表)
るねさんすしねんぴょう

1310 神聖ローマ帝国皇帝ハインリヒ7世がイタリアに遠征する。このころ、ダンテ・アリギエーリ『帝政論』と『神曲・地獄編』を著す。続けて1310年代に『神曲・煉獄編』と『神曲・天国編』を著す
1320ころ~ 1320年代、ジョットがフィレンツェのサンタ・クローチェ聖堂に『聖フランチェスコ伝』を描く(フレスコ画)
1327 ペトラルカアビニョンでラウラ(ロール・ド・ノーブ)に出会う。彼女に触発された詩興が『カンツォニエーレ』(1374)に実る
1347 ローマでコーラ・ディ・リエンツォが共和制ローマへの復古を目ざす革命を起こす
1348 ペストがイタリアに蔓延し、1350年にかけて西ヨーロッパ各地に広がる(黒死病)
1349~1351ころ ボッカチオが『デカメロン』を著す
1378 ローマとアビニョンに教皇並立。「教会分裂(シスマ)」が始まる。フィレンツェで「チョンピの乱」が起こる
1385 この年から クラエス・スリューテルがディジョンに住み、シャンモール修道院の「モーセの井戸」彫刻群などを制作する
1396 「ニコポリス十字軍(ニコポリスの戦い)」。ヨーロッパ諸侯軍がバルカン半島に遠征してトルコ帝国と戦う
1400 チョーサー、『カンタベリー物語』24話を遺す
1415 コンスタンツ公会議が ヨーハン・フスを異端として処断する
1417 コンスタンツ公会議が「教会分裂(シスマ)」を収拾する
1432 ネーデルラント画派の始祖 ファン・アイク兄弟が『ガンの祭壇画・神秘の仔羊の礼拝』を完成する(ネーデルラント美術
1434 コジモ・デ・メディチがフィレンツェの政権を掌握する
1436 フィレンツェの「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」献堂式
1444 フィレンツェのメディチ家の屋敷「パラッツォ・メディチ・リッカルディ」の造営が始まる(~1459)
1450ころ グーテンベルクがマインツで印刷工房を始める
1453 コンスタンティノープルの陥落。ビザンティン帝国が滅亡する
1460 モレア公国の滅亡。オスマン帝国がギリシア全土を併合する
1462 マルシリオ・フィチーノとその仲間がメディチ家からカレッジの別荘を提供されて、プラトン研究所(プラトン・アカデメイア)を開く。フィチーノがプラトンの著述のラテン語訳の仕事を始める
1462ころ ビヨン『大遺言詩集(遺言書)』
1469 ロレンツォ・デ・メディチがメディチ家の当主となる
1474 フィレンツェ人トスカネッリがコロンブスに手紙を書いて、西方航海の可能性を示唆したと伝えられる
1477 ナンシーの戦い。ブルゴーニュ侯家(ブルゴーニュ公国)とオーストリアのハプスブルク家が合同し、ハプスブルク家によるネーデルラントの支配が始まる
1478 このころ、ボッティチェッリの『春』が完成する
1478 この前後、ガン(ヘント)の絵師 フーホ・ファン・デル・グースの大作『ポルティナリの祭壇画・降誕』がフィレンツェに運ばれ、ネーデルラント画派の美術(ネーデルラント美術)の全容がイタリア人の絵師たちに対して開かれた
1479 スペイン王国が成立する
1485 イギリスでは「ばら戦争」が終わり、チューダー朝が始まる
1486 このころ、ボッティチェッリの『ビーナスの誕生』が完成する
1486 ピコ・デラ・ミランドラが『人間の尊厳について』を著す
1487 バルトロメオ・ディアスが喜望峰に到達。東インド航路が開発された
1490 ルフェーブル・デタープルが『アリストテレス形而上学入門』を著す
1492 コロンブスが新大陸に到着アメリカ。スペイン王家がグラナダ回教国(ナスル朝)を征服し、「レコンキスタ」が完成する。マルティン・ベハイムが地球儀を製作する
1494 フランス王シャルル8世がイタリア遠征。「イタリア戦争」の発端となる。フィレンツェで反メディチ家クーデター。修道士サボナローラの政権が成立する
1497 バスコ・ダ・ガマが喜望峰経由でインドへ向かう
1497 このころ、レオナルド・ダ・ビンチが『最後の晩餐』を完成する
1498 フィレンツェでサボナローラの神政政治が瓦解する
1498 アルプレヒト・デューラーの木版画集『ヨハネ黙示録』が完成する
1499 フランス王ルイ12世のイタリア戦争が始まる
1506 ローマのサン・ピエトロ大聖堂の改築工事始まる。建築主任ブラマンテ
1508 ミケランジェロがシスティナ礼拝堂天井壁画を描き始める(~1512)
1511 エラスムスが『愚神礼賛』を著す
1513 マキャベッリが『君主論』を著す(1532公刊)
1515 ギヨーム・ビュデ『古代貨幣考(アースについて)』が出版される。ブロアの城館にフランソア1世館の建造が始まる(~1524)
1516 トマス・モア『ユートピア』とアリオスト『狂えるオルランド』が出版される。ハプスブルク家がスペイン王国を支配する
1517 マルティン・ルターが「九十五か条の論題」を発表する(宗教改革)
1519 マジェラン(マガリャンイス)が世界周航に出発する(~1522)
1520 オスマン・トルコ帝国のスレイマン1世の治世が始まる(~1566)
1527 カール5世の軍隊がローマを荒らす(「ローマの略奪」)
1528 カスティリオーネ『廷臣論(宮廷人の書)』が出版される。イグナティウス・デ・ロヨラがパリに滞在し(~1535)、『霊操(心霊修業)』を著す
1529 フランソア1世が古典語の研究所、のちの「コレージュ・ド・フランス」を設立する。また、フォンテンブローの離宮にロッソ・フィオレンティーノほかイタリア人職人を招く(第一次フォンテンブロー派の形成)
1532 フランソア・ラブレー『ガルガンチュワ‐パンタグリュエル物語』第2巻(第1巻は1534年に出版される)
1536 ジャン・カルバン『キリスト教綱要』が出版される(カルビニズム)
1543 ベサリウス『人体の構造に関する七つの本(ファブリカ)』とコペルニクス『天球の回転について』が出版される
1545 トレント公会議が始まる(~1563)(反宗教改革)
1547 ミケランジェロがサン・ピエトロ大聖堂の建築主任になり、大円蓋を設計する
1549 デュ・ベレー『フランス語の擁護と顕揚』が出版される(プレイアード詩派)。マルグリット・ド・ナバール(ダングーレーム)が死去。『エプタメロン』75話を遺す
1550 ジョルジョ・バザーリが『美術家列伝』で、「美術のルネサンス(ルネサンス美術)」ということば遣いの下にイタリア美術の歴史を跡づける。ピエール・ド・ロンサール『オード集』が出版される
1559 ジャック・アミヨがプルタルコスの『対比列伝』(仏訳本)で「文芸のルネサンス」という考え方を示す
1561 グイッチャルディーニ『イタリア史』が出版される
1563 エル・エスコリアル修道院(スペイン)の建築が始まる(~1584)
1564 アビラの聖女テレジア(テレサ・デ・ヘスス)が『完徳の道』を著す
1568 スペイン領ネーデルラントが独立戦争を開始する(オランダ独立戦争)
1572 サン・バルテルミーの虐殺。フランスの宗教内乱が激化する
1580 モンテーニュ『随想録(エセー)』初版本が出版される

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