幻妻(読み)ゲンサイ

デジタル大辞泉 「幻妻」の意味・読み・例文・類語

げん‐さい【幻妻/×衒妻】

広く女をいう語。特に、美人をいうこともあり、また、女をののしってもいう。
「酒も―も向う持ちで、腹の痛まん散財や」〈上司太政官
自分他人の妻を卑しめたり、親しみを込めたりしていう語。
「さだめしおどれが―は、昼は袖乞ひして生米がな食らふさかひ」〈滑・膝栗毛・六〉

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精選版 日本国語大辞典 「幻妻」の意味・読み・例文・類語

げん‐さい【幻妻・衒妻】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 他人の妻をののしっていう語。〔物類称呼(1775)〕
  3. 自分の妻をののしって、または親しみをこめていう語。かかあ。
    1. [初出の実例]「どうろく(〈注〉ていしゅ)が気をつければまぶい(〈注〉うまい)けれど、げんさい(〈注〉カカア)まかせだからきすだ(〈注〉わるし)」(出典:洒落本・潮来婦誌(1829‐30)後)
  4. 広く、女性をいう。特に、美人をいうこともあり、また、女性をののしっていうのにも用いる。
    1. [初出の実例]「自体マア日暮から。大胆な衒妻様ぢゃ」(出典:浄瑠璃・本朝二十四孝(1766)二)
  5. 娼妓娼婦売春婦。また、めかけ。
    1. [初出の実例]「よたかとなりともげんさいとなりともよべと」(出典:浮世草子・色道大皷(1687)三)

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