座喜味グスク(読み)ざきみぐすく

日本歴史地名大系 「座喜味グスク」の解説

座喜味グスク
ざきみぐすく

[現在地名]読谷村座喜味 城原

平坦な地形である読谷村ほぼ中央部の比較的突出した台地上に形成される。標高一二七メートル、面積約六八〇〇平方メートル。晴れた日には那覇本部もとぶ町をはじめ、慶良間けらま諸島・久米島・粟国あぐに島・渡名喜となき島・伊江いえ島・伊平屋いへいや諸島が遠望できる。読谷山ゆんたんじや城ともよばれる(「球陽」尚泰久王五年条)。グスクは一の郭とその南側を取巻く二の郭の二つの郭からなり、一の郭と二の郭にはそれぞれ拱門がある。一の郭の拱門は東北東へ、二の郭の拱門は南南西へ向いており、グスクの出入口は二の郭拱門のみである。両拱門のアーチ石中央にはクサビ石がはめ込まれており、沖縄の城門のなかで最も古い形式とされる。石積み技法は基本的にあいかた積みであるが、二の郭西内壁で野面積みがみられる。沖縄戦において日本軍の高射砲陣地となり、戦後は一部が米軍基地となっていたため破壊や削平が多い。

座喜味グスクは護佐丸ごさまる居城であったといわれる。護佐丸はもと約四・五キロ北東の山田やまだグスク(現恩納村)城主だったが、尚巴志の今帰仁なきじんグスク(現今帰仁村)攻略後に恩賞として読谷山ゆんたんじやを与えられ、座喜味グスクを築城した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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