奄美諸島の最南西端に位置する島。北東に
北緯二七度、東経一二八度二〇分付近にあり、約二五キロ離れる沖縄島は晴天の日にはその島影が見える。周囲二三キロ、面積二〇・四八平方キロで、最高点は九七・二メートル。島の長軸は西北西―東南東に延び、約六・八キロ、それに直交する短軸は約四・五キロ。長軸方向の西手には南北両側に大きな湾入、つまり
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鹿児島県最南端の島。奄美諸島に属し,沖縄島(本島)の北約25kmに位置する。地元では〈ユンヌ〉と称する。1島で大島郡与論町を構成する。人口5327(2010)。面積約22km2の低平な島で,最高所は標高97m。全島が隆起サンゴ礁からなり,島の周囲には堡礁や裾礁が発達している。農業が基幹産業で,水稲は栽培されなくなり,主作物はサトウキビであるが,最近はカボチャの栽培も盛んで島外への出荷も多い。
1609年(慶長14)の薩摩藩の琉球征服以前は,沖永良部(おきのえらぶ)島や徳之島などの奄美諸島とともに琉球王国の影響下にあった。第2次大戦後,沖縄の本土復帰(1973)までは日本最南端の島として人気を集め,観光地として発展した。復帰後も,白砂の浜とエメラルド色の海が織りなす南国的な景観を求めて京阪神地方などから訪れる若者が多く,観光も島の重要な産業となっている。鹿児島港から定期船が約20時間で通う。以前は港の設備が整っていなかったが,1979年に1万トン級バースをもつ与論港が立長(りつちよう)にできて,大型客船が直接接岸できるようになった。空港も1976年に茶花(ちやばな)に完成し,鹿児島空港とは1時間20分で結ばれているほか,那覇空港からも不定期便が就航している。琉球王朝時代の与論城(ぐすく)跡には琴平神社がある。海岸の大部分は奄美群島国定公園に指定されている。
執筆者:服部 信彦
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北緯27度、東経128度24分、薩南諸島(さつなんしょとう)の一島で、鹿児島県最南の位置にある。大島郡与論町。約23キロメートル隔てた南には沖縄島がある。周囲23.7キロメートル、面積20.58平方キロメートル、最高点は97.1メートルで低平な地形である。南西部の一部を除き琉球(りゅうきゅう)石灰岩で覆われ、周囲はサンゴ礁で囲まれる。また島内随所でカルスト地形がみられる。亜熱帯性気候を生かしてサトウキビや野菜の促成栽培が盛ん。カボチャの生産はよく知られている。奄美(あまみ)群島国立公園に属し、夏にはサンゴ礁とコバルトブルーの海を訪れる観光客が多い。2015年(平成27)の国勢調査の人口5186。
[塚田公彦 2019年5月21日]
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