読谷村(読み)よみたんそん

日本歴史地名大系 「読谷村」の解説

読谷村
よみたんそん

面積:三五・一七平方キロ

沖縄島中部の西海岸に位置し、南は嘉手納かでな町、北東は国頭郡恩納おんな村、東は嘉手納弾薬庫地区を挟んで沖縄市と嘉手納町に接する。北・西は東シナ海に面し、北西端に残波ざんぱ岬が突き出す。南境を比謝ひじや川が西流して東シナ海に入る。東部を国道五八号が南北に走り、同道から西へ分岐した県道六号・一二号の二線が西側地域の高志保たかしほで合流、六号線は北上したのち海岸線道路から東の恩納村へ入る。村域の地質は国道五八号を境に大きく二つに分れる。東側には名護層や嘉陽層など古い地層がみられ、尾根谷間が入組んでいる丘陵地を形成している。東シナ海に張出す西側はサンゴ礁が隆起した琉球石灰岩を主体とする新しい地層がみられ、地形的に緩やかで平坦となり、座喜味ざきみグスクの南側には読谷よみたん補助飛行場が広がる。南西部の層を一段低くした所を東から西、さらに北へと県道六号線が走り、同道に沿って集落が形成されている。西側の海岸近くの平野部には米軍占領後築かれたボロー・ポイント飛行場および射撃場があったが、返還後は土地改良をされた圃場やリゾート地が広がる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「読谷村」の意味・わかりやすい解説

読谷〔村〕
よみたん

沖縄県沖縄島中部の西海岸にある村。1946年,近世以来の間切(まぎり。行政区画)名に由来する読谷山村(ゆんたんざそん)を改称。北東部の丘陵地以外は隆起サンゴ礁に覆われた平坦な地形。北部にある三山時代の按司護佐丸が築城した国の史跡座喜味城跡は 2000年世界遺産の文化遺産に登録。南部海岸に国の史跡木綿原遺跡がある。古くは中国との貿易繁栄。南方諸島から伝えられた民俗芸能の伝承が多く,読谷山花織(ゆんたんざはなうい)は沖縄の伝統的な織物。近年那覇市壺屋の陶工たちがこの村に移住し,「第2の壺屋」といわれる焼き物の産地となった。村域の 8割を占めていたアメリカ軍用地が本土復帰を機に徐々に返還され,村域の半分以下になったことから,キク,サトウキビ栽培,養豚などが普及。特に施設園芸による野菜生産の伸びが著しい。残波岬海食崖紺碧海洋景観は雄大。国道58号線が南北に通る。面積 35.28km2。人口 4万1206(2020)。

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