廊之坊屋敷跡(読み)ろうのぼうやしきあと

日本歴史地名大系 「廊之坊屋敷跡」の解説

廊之坊屋敷跡
ろうのぼうやしきあと

[現在地名]那智勝浦町浜ノ宮 勝山

補陀洛山ふだらくさん寺の裏山に位置し、勝山かつやま城ともいう。那智三坊(尊勝院・実方院・廊之坊)の一つ廊之坊(塩崎氏)居城で、「続風土記」に塩崎竜寿しおざきりゆうじゆ院として「浜宮と川関村との間に勝山といふ廻六町余除地の山あり、当院の城跡なりといひ伝ふ」とある。

「続風土記」によると、池大納言平頼盛の曾孫保秀が当坊の養子となり、それより塩崎姓を名乗ったという。また平維盛の後裔色河家の出身で、清水臈の坊と称したともいう(熊野巡覧記)。応永二年(一三九五)一二月三日付の道者売券(米良文書)に「買主廊之坊」とみえる。塩崎廊之坊は嘉吉(一四四一―四四)頃までに那智山に宿坊を構えており、有力な御師の一人となっていたが、その後勝山に居を移したという(続風土記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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