建設産業(読み)けんせつさんぎょう(その他表記)construction industry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「建設産業」の意味・わかりやすい解説

建設産業
けんせつさんぎょう
construction industry

建築,土木など建設工事の完成を請負う営業の総称。主要な業態としては,総合建設業,職別建設業,元請建設業,下請建設業などがある。建設業者は,建設業法に従って,建設大臣もしくは都道府県知事に登録してその指導,監督のもとに業務を行うことになっている。特殊性としては,(1) それが注文生産であること,(2) 季節的,景気循環的にみて需要変動が激しいこと,(3) 土地に関連が深いこと,(4) 定置的な工場生産と異なり移動型の生産活動であること,(5) 数多くの資源原材料職能,人材を動員するシステム産業であること,(6) 屋外で行う産業活動であること,などの点があげられる。さらに元請企業と下請企業が複雑に重層的にしかもその都度,分業関係を形成する点も他産業にはみられない特色とされるが,これらの業態の特殊性から,日本では総合建設業者と名づけられる大手元請建設業者いわゆるゼネコン general contractorが発達し,総合調整とアッセンブル機能を中心にいわゆるシステム産業として展開しつつある。業者数は約 51万社,就業人口は約 570万人にものぼるといわれ,建設投資額は 1989年実績で約 70兆円と GNPの約2割近い市場規模をもつ。

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