弁士・辯士(読み)べんし

精選版 日本国語大辞典 「弁士・辯士」の意味・読み・例文・類語

べん‐し【弁士・辯士】

〘名〙
弁舌たくみに談論する人。弁のたつ人。話の上手な人。
※本朝無題詩(1162‐64頃)二・聞大宋商人献鸚鵡〈大江佐国〉「巧語能言同弁士、緑衣紅觜異衆禽」 〔史記‐蘇秦伝〕
② 多くの聴衆に対して演説または講話・説明などをする人。
朝野新聞‐明治一四年(1881)七月二四日「近来何れにても演説会流行し有名なる辨士の各地方を巡回さるる処より」
無声映画の時代、映画の筋の展開に合わせ、声色などをつかってその内容などを説明することを業とした人。明治二三年(一八九〇)、日本で制作された実写映画をはじめて上映した時に、その説明にあたった駒田好洋が開祖とされている。大正初期から中期が最盛期で、本格的トーキーの作られた昭和六年(一九三一)以降衰える。活弁(かつべん)
道程(1914)〈高村光太郎〉師走十日「咽喉を痛めたる辯士の声に」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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