引田部神社(読み)ひきたべじんじや

日本歴史地名大系 「引田部神社」の解説

引田部神社
ひきたべじんじや

[現在地名]真野町金丸 城ノ腰

金丸かなまるの集落中央部に鎮座。旧郷社。「延喜式」神名帳雑太郡五座のうちに「引田部ヒキタヘノ神社」とみえる。祭神は社伝では大己貴命とする。明治の神社明細帳(新潟県庁蔵)猿田彦命とするが、これは延享年間(一七四四―四八)橘三喜の納めた神号である。これらに対し「大日本地名辞書」は阿倍氏の一族引田氏の祖大彦命を祀るとする。神社正面に立つと、鳥居拝殿本殿を通して北方真後ろに金北きんぽく山が望まれる。金北山は古くからの佐渡の総鎮守といわれた霊峰で、祭神は大彦命とされることから、金北山を神体山とした大彦命を祀る社とも考えられる。

土地の伝えでは、神社の元地は西方約二五〇メートルの字こうがいさきという国府こうの川べりにあったというが、湿地帯で社地が置かれたとは考えられない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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