猿田彦命(読み)さるたひこのみこと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「猿田彦命」の意味・わかりやすい解説

猿田彦命
さるたひこのみこと

日本神話で、天孫瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の降臨の際、天八衢(あめのやちまた)にいて天上天下を照らしていた神。この神は猿女君(さるめのきみ)の祖である天鈿女命(あめのうずめのみこと)と対決して猿田彦命と名のり、天孫を先導したのちに伊勢(いせ)の阿邪訶(あざか)(三重県松阪市)に鎮座する。その容姿は、鼻の長さ7咫(あた)、背の高さ7尺(さか)、口赤く、眼は八咫鏡(やたのかがみ)のように輝いていたという。ここには鋭い僻邪視(へきじゃし)をもつ道祖神や、太陽神のおもかげが予見できるが、その姿は朝鮮の長(チャンスン)、あるいは伎楽(ぎがく)の陵王面と同質表現であろう。天鈿女命との対決は、伊勢の漁民に信奉されていたこの神と大和(やまと)勢力との対決を表し、またこの神の名のりは伊勢地方の服従の神話化であり、阿邪訶の海岸でこの神がヒラブガイに手を挟まれて溺(おぼ)れるという話も、この神の祭儀と関連があろう。

吉井 巖]

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