往生論註(読み)おうじょうろんちゅう(英語表記)Wang-sheng-lun-zhu

精選版 日本国語大辞典 「往生論註」の意味・読み・例文・類語

おうじょうろんちゅう ワウジャウ‥【往生論註】

世親(せしん)の「無量寿経優婆提舎(浄土論)」に対する注釈書。北魏曇鸞(どんらん)の著。二巻。無量寿経優婆提舎願生偈註、浄土論註、論註などともいう。往生要因は本願力によることを強調し、後の浄土教に重要な影響を与えたもので、日本でも早くから注目された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「往生論註」の意味・わかりやすい解説

往生論註
おうじょうろんちゅう
Wang-sheng-lun-zhu

中国北魏の曇鸞によって著わされた世親の『浄土論』の注釈書。2巻。「浄土論註」「論註」ともいわれる。衆生が浄土に往生できるのはすべて阿弥陀如来の本願力によるものであることを説いている。この教義は中国浄土教大成者善導によって受継がれた。また日本の浄土真宗の開祖親鸞の教義にも大きな影響を与えている。

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