待乳山(読み)まつちやま

日本歴史地名大系 「待乳山」の解説

待乳山
まつちやま

浅草七丁目に隅田川に面してある標高約一〇メートルの小丘。自然地形とは考えられず、中世あるいは近世初期の造成によってできたとする説がある。山上には聖天しようでん宮が祀られ、浅草寺衆徒一二ヵ寺の一である本龍ほんりゆう院が別当となっている。待乳は真土・信土・亦打とも記される(「江戸名所図会」など)。また金龍きんりゆう山の名称もあり、推古天皇三年浅草寺観音出現地の先端が盛上り一夜にして山となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の待乳山の言及

【聖天】より

…とくに大根を用いるのは,性器を表現するものと思われる。民間信仰として栄え,奈良の生駒聖天(宝山寺)や東京浅草の待乳山(まつちやま)の聖天は,現代も信仰の拠点として知られている。【宮田 登】。…

※「待乳山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」