猪苗代兼載(読み)イナワシロケンサイ

デジタル大辞泉 「猪苗代兼載」の意味・読み・例文・類語

いなわしろ‐けんさい〔ゐなはしろ‐〕【猪苗代兼載】

[1452~1510]室町中期の連歌師会津の人。名は宗春。号、相園坊・耕閑軒。心敬師事宗祇らと「新撰菟玖波集」を編集句集園塵そののちり」など。

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精選版 日本国語大辞典 「猪苗代兼載」の意味・読み・例文・類語

いなわしろ‐けんさい【猪苗代兼載・猪苗代兼栽】

  1. 室町後期の連歌師、歌人。号は耕閑斎、相園坊。会津の人。和歌を堯恵に学んで古今伝授を受け、連歌は心敬に学んだ。連歌学書「兼載雑談」「若草山」「連歌本式」、句集「園塵」、古典研究書などがある。享徳元~永正七年(一四五二‐一五一〇

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朝日日本歴史人物事典 「猪苗代兼載」の解説

猪苗代兼載

没年:永正7.6.6(1510.7.11)
生年:享徳1(1452)
室町時代の連歌師。初名宗春。奥州会津の猪苗代盛実の子。20歳前後のころ,応仁の乱で関東流寓中の心敬に連歌の指導を受け,飯尾宗祇とも交流を持った。乱後京都に出て連歌師として活躍,延徳1(1489)年には早くも連歌界で最高の名誉職である北野連歌会所奉行に任ぜられた。明応4(1495)年『新撰【G7EDF玖波/つくば】集』編集では編者の宗祇を補佐したが,細川成之の句をめぐって確執が生じた。また山口,阿波,北陸,関東を旅し,文亀1(1501)年関東下向,以後岩城,会津,古河などで連歌や古典講義の活動を続け,古河の地に没した。句集に『園塵』,連歌論に『心敬僧都庭訓』『連歌延徳抄』『兼載雑談』などがあり,独吟の『聖廟法楽千句』も名高い。「はなぞちるかからむとての色香かな」の自詠を,「此発句,新G7EDF玖波集に第一の発句なりと勅定ありし」と自賛するように,芯の強い独自の道を行く人であった。<参考文献>金子金治郎『連歌師兼載伝考』

(沢井耐三)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「猪苗代兼載」の解説

猪苗代兼載 いなわしろ-けんさい

1452-1510 室町-戦国時代の連歌師。
享徳元年生まれ。心敬にまなび,宗祇(そうぎ)とまじわる。文明8年から京都で活動,延徳元年(1489)宗祇の跡をついで北野連歌会所の奉行となる。宗祇をたすけて「新撰菟玖波(しんせんつくば)集」を編集。晩年は関東で活動した。永正(えいしょう)7年6月6日死去。59歳。陸奥(むつ)会津(福島県)出身。別号に宗春,相園坊,耕閑軒。著作に「兼載雑談」,句集に「園塵(そののちり)」など。

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旺文社日本史事典 三訂版 「猪苗代兼載」の解説

猪苗代兼載
いなわしろけんさい

1452?〜1510
室町後期の連歌師
奥州会津の人。心敬 (しんけい) に学び,句風は才気ある技巧派で写実的なものに佳句が多い。宗祇 (そうぎ) の『新撰莵玖波集』の編集に協力。著書に連歌論書『景感道』,雑録『兼載雑談』など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「猪苗代兼載」の意味・わかりやすい解説

猪苗代兼載
いなわしろけんさい

兼載

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「猪苗代兼載」の意味・わかりやすい解説

猪苗代兼載
いなわしろけんさい

兼載」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の猪苗代兼載の言及

【兼載】より

…室町後期の連歌師。猪苗代氏。初名は宗春。会津の出身。青年期に東国へ流寓していた心敬,宗祇に学ぶ機会を持ち,20代の半ばころ京都へ出て活動し,38歳のとき北野連歌会所奉行となる。宗祇とともに《新撰菟玖波(つくば)集》の編集に当たり,1495年(明応4)完成するが,編集方針などで宗祇と確執があったことでわかるように,宗祇といろいろな意味で対立的な立場にあった。句集に《園塵(そののちり)》があり,連歌作品にも多く名をとどめている。…

※「猪苗代兼載」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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