待宵(読み)マツヨイ

デジタル大辞泉 「待宵」の意味・読み・例文・類語

まつ‐よい〔‐よひ〕【待宵】

翌日十五夜の月を待つ宵の意》陰暦8月14日の夜。小望月こもちづき 秋》「―をつひに雨来し梢かな/句仏
来るはずの人を待つ宵。
「―のふけゆく鐘の声きけばあかぬ別れの鳥はものかは」〈新古今・恋三〉

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精選版 日本国語大辞典 「待宵」の意味・読み・例文・類語

まつ‐よい‥よひ【待宵】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 来ることになっている人を待つ宵。
    1. [初出の実例]「まつよひの風だもさむくふかざらば見えこぬ人をうらみましやは」(出典:曾丹集(11C初か))
    2. 「待つ宵にふけ行く鐘のこゑきけばあかぬ別れの鳥は物かは〈小侍従〉」(出典:新古今和歌集(1205)恋三・一一九一)
  3. ( 翌一五日の月を待つ宵の意で ) 陰暦八月一四日の宵。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「十三夜の月、待(マツヨイ)めい月」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)一)
  4. まつよいぐさ(待宵草)」の略。
    1. [初出の実例]「待宵の咲いてゐる原へ」(出典:銀の匙(1913‐15)〈中勘助〉前)

待宵の語誌

本来「人待つ宵」の約言と考えられるが、挙例「新古今集」の歌が評判になったため、歌語として定着した。とくに俳諧では、花も月も待つ心を尊重するところから、十五夜の月を愛でるあまりに、その夜の曇るのを心配して、前夜の月を観賞しておこうとし、その結果、の意を生じ、一四日の月は小望月と称されて、俳諧の季題となった。

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デジタル大辞泉プラス 「待宵」の解説

待宵

熊本県、高橋酒造株式会社が製造する焼酎の商品名。全麹仕込み、減圧蒸留法を採用した本格米焼酎。

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