律蔵(読み)リツゾウ

デジタル大辞泉 「律蔵」の意味・読み・例文・類語

りつ‐ぞう〔‐ザウ〕【律蔵】

三蔵の一。仏教教団戒律に関することを集めた聖典

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精選版 日本国語大辞典 「律蔵」の意味・読み・例文・類語

りつ‐ぞう‥ザウ【律蔵】

  1. 〘 名詞 〙 ( [梵語] vinaya-piṭaka の訳 ) 仏語。三蔵の一つ。教団の規律を定めた戒律関係の聖典をひとまとめにして集めたもの。また、戒律聖典の総称
    1. [初出の実例]「護摩等をうけ、ならびに律蔵をならひ、また止観を学す」(出典:伝光録(1299‐1302頃)永平元和尚)
    2. [その他の文献]〔摩詞僧祇律‐三二〕

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世界大百科事典(旧版)内の律蔵の言及

【戒律】より

…原始仏教では,戒(シーラśīla)と律(ビナヤvinaya)を分けるのが普通で,律は教団の規則を意味し,男僧250条,尼僧348条の禁制条項を指す。仏滅後の教団で,経典とは別の律蔵として,成文化された。三宝に帰依して,出家した以上,律蔵の受持ちは絶対で,犯せば追放の厳罰を含む,種々の制裁をうけるが,そうした持律精神は,必ずしも出家に限らず,在家信者にも求められるから,律蔵の条項にかかわらぬ,仏教徒の内面性を問うところに,新しい大乗の戒律思想が生まれる。…

【三蔵】より

…サンスクリットのtripiṭakaの漢訳で,仏教の聖典を経蔵・律蔵・論蔵の3種に分類したときの総称。蔵の原語であるpiṭakaとは,ものを入れる籠のこと。…

【阿含】より

…釈尊すなわちゴータマ・ブッダの入滅後,その教法(ダンマ)や教団の規律(ビナヤ)は,記憶しやすい詩や短文の形で,口伝によって継承された。その後教団の確立にしたがい,教法は《経蔵Sutta‐piṭaka》に,規律は《律蔵Vinaya‐piṭaka》に,それぞれ集大成された。このうち経蔵は,長,中,相応,増支の阿含あるいはニカーヤnikāya(部)に分けられていて,全体を総称して阿含,阿含経という。…

※「律蔵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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