得道(読み)トクドウ

精選版 日本国語大辞典 「得道」の意味・読み・例文・類語

とく‐どう‥ダウ【得道】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。
  2. 聖道または仏の無上道の悟りをうること。成道。悟道。
    1. [初出の実例]「意気雖青雲之上 身体猶在塵俗之中修行得道之聖」(出典万葉集(8C後)五・八〇〇・序文)
    2. 「そなたの事は思ひ切り、京へ登って再行なし、出家得道する心」(出典:歌舞伎・小袖曾我薊色縫(十六夜清心)(1859)四立)
    3. [その他の文献]〔法華経‐信解品〕
  3. 物事道理をよく理解すること。得心すること。
    1. [初出の実例]「徳人が教化せずは、世俗は皆利欲にをぼれて、得道することはついに有まいぞ」(出典:両足院本山谷抄(1500頃)一)
  4. 技芸の道に熟達すること。
    1. [初出の実例]「茶一道、もとより得道の所、濁なく出離の人にあらずしては」(出典:南方録(17C後)覚書)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「得道」の読み・字形・画数・意味

【得道】とくどう(だう)

正道を得る。さとる。〔荘子、知北遊〕曰く、思无(な)く慮无くして、始めてを知り、處(を)る无くする无くして、始めてに安んじ、從(よ)る无く(よ)る无くして、始めてを得。

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